大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和40(行ツ)70 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人萩原博司の上告理由第一点について。

論旨は、原判決が「検ハの13」および「検ホの3」(いずれも原判決添付の検

証写真に付せられた投票番号を示す。)の各投票を無効とし、これを当選人Dの得

票と認めなかつたのをもつて、公職選挙法の解釈適用を誤つたものというにある。

しかし、右各投票に関する原判決の認定および判断は、いずれも相当であつて、

これに所論の違法は認めがたく、論旨は採用することができない。

同第二点について。

論旨は、原判決がその主文において当選人Dの当選を無効とする旨を宣告しなか

つたのをもつて、原審に釈明権の不行使ないし審理不尽の違法あるものと主張する。

都道府県選挙管理委員会が、特定の当選人の当選の効力を争う異議の申出または

審査の申立を棄却し、選挙会における当選決定を維持したのを不服とする当選訴訟

において、出訴者が、右委員会の決定、裁決の取消のほか、特定の当選人の当選を

無効とする旨の判決を求めたときは、裁判所は、そのような当選無効の事由の認め

られるかぎり、決定、裁決の取消とともに右当選人の当選の無効を、判決主文にお

いて言い渡すべきであり、このことは、昭和三七年法律第一四〇号および同年法律

第一六一号により改正された公職選挙法の争訟規定のもとにおいても、変るところ

はない。しかし、右訴訟において、出訴者が当選無効の宣告を求めず、その申立を

決定、裁決の取消にとどめた場合においても、判決によつて当選無効の事由が認め

られたときは、その判決の確定次第、右委員会は改めて判決の趣旨に従い、特定の

当選人の当選無効の決定、裁決をなすべきものと解されるから、かかる判決によつ

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ても、当選訴訟としての所期の目的を達成できないものではない。してみると、原

審において、裁判所が被上告人に対し、当選人Dの当選無効を求める申立を追加す

るよう促すことが適当であつたにもせよ、かかる処置を欠いたため、原判決の破棄

に値する違法を生じたものとする所論は、到底肯認しがたい。論旨は理由がない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 柏 原 語 六

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

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